大切にしたいこと①
〜3つのSHIP〜
1 スペースシップ
障害のある子や療育の必要な、ちょっと発達がゆっくりな子にとって、
身近な社会(近所や近くのお友達や大人、環境)は、わたしたち大人からしてみれば、
それは何があるか分からない、見通しのもてない、未知の宇宙のようなものです。
そんな場所へ、何も身につけずにポンと放り出されてしまったら、
不安でたまらないですよね
息もできないはずです。
障害のある子や療育の必要な子は普段からこうした不安や恐怖を抱えていることが多いです。
宇宙へ行くためには、そこがどんなところなのか知ったり、無重力で動けるように体の使い方を体験したり、機械の操作を覚えたり、様々な準備が必要です。
色々なことを理解でき、見通しをもつことができると、これまであった恐怖や不安はなくなり、楽しみやワクワクに変わっていきます。
自分がどこまで行けるのか挑戦する気持ちも出てくる人もいるでしょう。
児童発達支援SHIPは、未知の宇宙(お子さん達がゆくゆく旅立つであろう社会)に向かってみんなで楽しく準備をしていくことのできるスペースシップであることを目指しています。
2 フレンドシップ
お子さまが楽しく、安心して様々なこと(身辺自立やコミュニケーション等)を学ぶためには、お子さまとスタッフとの信頼関係を築くことがとても大切です。
厚い信頼関係を築くには、障害や特別支援教育、児童発達、児童心理など、様々な知識や経験に裏付けられた、より丁寧なお子さまの理解が必要です。
SHIPはお子さまの成長のために学び続けることのできる専門的知識を備えたスタッフで構成されていますので、安心してご利用いただけます。
また、お子さまのより良い成長には、保護者の方との情報共有もとても大切になってきます。
児童発達支援SHIPは、お子さまはもちろん、お子さまの成長を共に分かち合うことで保護者の方やお子さんを取り巻く環境もより良い環境に、より安心できる場にしていきます。
3 リーダーシップ
お子さまのより良い成長や発達には、スタッフの熱い気持ちや専門性は欠かせません。
- お子さまに対する熱い気持ち、どうしたら?を考えられる心があること
- 特別支援教育に対する高い専門性
この2つをもちあわせていることが一番大切だと考えています。
✓どうしたら、この子は楽しくコミュニケーションが取れるようになるだろうか?
✓どうしたら、この子はうまく荷物を整理することができるだろうか?
✓どうしたら、この子は人の話に注意を向けることができるだろうか?
✓どうしたら、この子は感覚過敏に対応していけるだろうか?
たくさんの「どうしたら?」を考えていけること、たくさんお子さんについて考えていくことが質の高い療育につながると思います。
そこに特別支援教育に対する専門的な知識や技能ももちあわせていることで、「それではこうしたら?」が出てきます。
特別支援教育といっても障害に対する基礎知識はもちろん、様々な指導方法や関わり方、最近の研究成果など専門性を高めていくには多くの時間と労力が必要です。
児童発達支援SHIPでは、積極的に研修や勉強会や学会参加を行い、日々発展していく特別支援教育について、スタッフ全員で学び続けます。
特別支援教育について学ぶことで、お子さまのことをより深く理解するきっかけにもなります。
保護者の方も機会がありましたら、ぜひ参加していただけると幸いです。
SHIPは、一緒に楽しく学んでいける空間づくりにも努めていきます。
大切にしたいこと②
〜ポジティブなスパイラルを〜
児童発達支援SHIPでは、お子さまの健やかな成長のための支援はもちろんですが、その周りの環境も考え、ポジティブなスパイラルを築いていきます。
例えば、これは私が以前特別な支援を必要とする子が通う個別指導塾で講師をしていた頃のお話です。
その子は少しでも間違いや普段と違うことがあると、頭や体が熱くなるほどパニックになってしまい、飛び出してしまうという実態のお子さまでした。
始めは50分指導のうち、25分程度の学習に取り組みましたが、少しずつ学習内容や難易度に変化を加えたり、たくさん話をして信頼関係を築いていったりしたことで、少しずつ学習時間が延び、少しずつ気持ちも柔軟になっていきました。その子とは1年間の関わりでしたが、1年後には間違いがあっても気にせず正しい答えや考えを確認したり、予定が変更になっても落ち着いて対応したりすることができるようになりました。お子さま本人も心に余裕ができ、笑顔もたくさん見られるようになりました。
このお子さまの変化によって、お母さんも大きく変わっていきました。始めの頃の、毎週塾に来るときの表情は暗く、とても不安そうでした。いつ自分のお子さまがまたパニックになって部屋から飛び出してくるのか気が気ではないようでしたが、少しずつ学習時間が伸び、お子さまの気持ちに柔軟さや余裕ができたことで、お母さん自身も安心して塾に連れてくることができるようになりました。1年の終わりの頃には、学習の時間教室の廊下で待たずに買い物へ出かけるなどもすることができるようになりました。お母さんの表情も明るく、お子さまとのやりとりもとても楽しそうでした。
お子さまの成長はもちろんですが、お子さまのことを一番大切に思っているお母さん、お父さんがお子さまのことで少しでも悩み事が減り、昨日よりも明るく楽しく過ごすことができる、ということもとても大切です。
児童発達支援SHIPは、そのようなポジティブなスパイラルを作れるような場でありたいと思っています。